トレードと将棋

稼いでいるトレーダーさんは、みなさん、
トレードはシナリオを描いてそれにしたがうものだとおっしゃいます。
ただ、シナリオどおりにいかないことも多く、
そういう時はどうしても我慢してしまう自分がいます。
それを矯正するにはどうしたらいいでしょうか。”



そうですね。同じような質問をされる方は多いのですが、
行動を矯正することも大事なのですが、まず、シナリオってなに?
というところから話しましょうか。


シナリオとは、カンタンに言うと、
相場がこう動いたらこうする。●●方向に●●まで動いたら利食い
逆に動いたら●●で損切り

こんな戦略のこと。

ただし、この2パターンだけではなく、
さらに先を読んだシナリオを描いてトレードする必要があります。


先日書いた株の先生は、チェスや将棋に例えてお話していました。

段階的に枝分かれしたシナリオを考えましょう。
例えば、支持線抵抗線で判断するとき、
割るのか割らないのか→割ったらこうする、割らなかったらこうする。等々。


将棋といえば、以前テレビで、将棋のプロの方は100手以上先をよむと誰かが言っていたことを思い出しました。


将棋は対ヒトとの勝負、心理戦じゃないですか。

トレードも心理戦ですからね。
通じるものがあると思います。


ある局面で候補になる手が三通りあるとします。
その三通りの手を全て十通り先まで読めば合計30手ですみますが、
一手先の局面もまた三通り程の候補があり、一筋縄には行きません。
つまり、読める先の手というのは枝分かれするように増えて行くので、
あまり深い先読みはかえって意味がないと、羽生名人が以前言っていましたよ。
候補になりそうな三通り程の手を10手程先まで読む事を一手づつ行う程だと言っていました。
つまり、ある局面で読んだ10手先までの予想が実際に10手先まで続くとは限らないという事ですね。
お互いに相手の意表を突いた読まれない様な手を指したい訳です。
要は深く考える局面であるかどうかの見極めが大切であるという事ですね。
初めから100手先も読んでいても実際にその様になる事はないので無駄な事だという事です。
それとプロが100手先まで読めるかという事ですが、
読む意味がないのでそういう事はしないと思います。
プロは対局が終わった後に、もう一度初手から終局まで指した手を暗記しているので、
100手分の暗記能力はあると思いますが。
(基本的に勝負が決まるのは100手前後ですから)読むというのは不可能だと思います。
正しく言えば、100手読んだ通りに進む事が不可能だという事ですね。

先を読める様になりたいのたら、詰め将棋の練習に励む事が良いと思います。




テーマに戻りますが、要するに、
シナリオをもうちょっと段階的に、そしてさらに奥深くまで描いて、
それを行動に移せるようにすること。
これが大事なのではないかと。

もし、苦手だということであれば、IFDOCO注文をしてあとは放置とか。
これは私は苦手なのでやらないのですが、
とにかく、想定外の展開。にならないよう、もしくは、なっても、
そこから軌道修正できるくらい徹底したシナリオづくりをしてみてはいかがでしょうか。